活動報告

東京医科歯科大学・首都大学東京・東京都市大学
女性研究支援についての鼎談

江原由美子

谷口こういったことは大変素晴らしいことなので、二年目からはこれを研究所だけではなく、医学部歯学部付属病院でもそれを広めようということで全学的な展開をすることになりました。ここは実は、後で江原先生にもお聞きしたい所でありますけど非常に難しい問題があります。というのは、研究者は在宅でもなんとかなるのですが、患者さんを持っている女医先生が家に帰って仕事をするので帰りますと言う訳にはいかないですね。やはりそうすると仕事、治療はちゃんとしていただいかなければいけないので、在宅支援との整合性がないんじゃないかという問題があります。あと医科歯科大学はですね、任期制、いわゆる裁量労働制を採用していているため、在宅支援を臨床系の先生に適応するのは非常に問題が起こる可能性があります。ですからこの展開は非常に慎重にならざるをえません。雇用形態ですね。労働基準法、雇用問題と非常に慎重に絡めて進めないと逆に問題が出てくると思います。二年次になって在宅研究なども飛躍的にその数を広げていますし補助員も、二年次にはかなり拡大しています。これを三年次には更に広げて在宅研究も更に広げていきたいというふうに思っております。

小川研究者というのは、その成果は論文を書いたとかそういうようなことで評価されるということですか?

谷口臨床系の先生も臨床に絡んだ研究があるのですね、基礎的な例えば材料を出すとか、いわゆるインビトロといいますが、机の上でやればいいというのではない、患者さん相手にやる研究がありますよね。そういう所にも広げて行きたいということです。色々な苦労があるのですけども、それは医療系の特徴だと思います。

小川教員の方や研究者にこの事業の浸透度は如何でしょうか?

谷口例えば一番よく進んでいるのは補助員の配備ですよね。これは公募をかけます。応募があって審査してどういう研究をしているのかどういう理由で補助員を付けたいのかと出して頂いてですよね、それで委員会で検討して決めていくのですが、応募については、改善が必要だという気はしますね。というのは、このシンポジウム等でPRするのですが、シンポジウムは、平日のお昼にどうしても開かざる得ない訳で、多くの先生は患者を見ている時間です。患者を看るのを止めて聞きに来るっていうのもまた問題があったりしてちょっとジレンマですね。全学メールやホームページでも知らせています。沢山来て頂けるのは有り難いですけども予算の限度もありますので、その中でしか出来ないので。モデル育成事業として私ども三年間の契約で頂いているのですけども一番の問題は、これである程度の成果が出ていますけどもひとつの課題は三年が終わった後、自前でこれをやらなくてはいけないと言う時に大学本体に予算が出せるのかという問題があります。出せないと言うと終わってしまうので、大学も大変努力はしておりましてぜひ、必要なところには、文科省の方に引き続き援助して頂いて、大学自らの自助努力と合わせて続けさせて頂きたいと思っています。医科歯科大学の最終的な育成モデルのスローガンは2020年に女性研究者20%の比率にすると掲げておりまして、今頑張っております。

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