活動スケジュール

第4回女性研究者紹介セミナー 講演概要

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(1)清水 由美子 教授(環境情報学部情報メディア学科)

テーマ それが何の役にたつの?
ー工学博士との係わりの中で変わっていった興味ー
概要

今から14年前、環境情報学部立ち上げに伴い留学生担当として武蔵工業大学に採用されました。当時、計量言語学を専門としていた私は、少々後ろめたい思いを抱きながら日本語教育に携わりました。

程なく日本政府の留学生対応は大きく変わり、環境情報学部の留学生枠はなくなりました。本来ならば、ここで失職!なのですが・・・

工学部の先生や環境情報学部の情報系の先生方との関わりの中で、自身の研究テーマそのものも大きく変わっていました。工学部の言語処理教室の教授からは、ゼミ生の指導や卒論発表会への出席、学会発表のチャンスをいただきました。環境情報学部の情報系の先生方と一緒の授業を担当した際には、毎週の打ち合わせで討論をし、その“ものの見方”“考え方”を間近にして大きな刺激を受けました。こうした中で研究テーマは計量言語的なところから、概念の処理過程へと移行。特にピクトグラムや絵文字などが興味の中心となりました。「概念伝達に用いられる絵の理解と意味処理をめぐる実証的研究」という論文で博士号を取得し、以後、視覚情報の処理過程を中心に研究を続けています。

(2)室田 昌子 准教授(環境情報学部環境情報学科)

テーマ サスティナブル・コミュニティ
概要

私の関心は、人間の生活にも地球環境にもより良い都市の環境づくりにあります。人間の生活の基盤は、住む環境と働く環境にあると思いますが、それぞれの人々にとって、身近な環境が最も関心が高いと考えられ、私はミクロな都市環境に焦点をあてています。

都市には様々な人々が生活し、年齢が違えば職業も異なり、価値観も異なります。また、多くの国では、人種も宗教も異なる人々が一緒に生活をしています。このような人々が一緒に協力しないと、本来より良い環境は形成できないと思います。また、身近な環境と一口に言っても、その内容は、住宅、緑、道路などのハード的な環境から、生活を支える商業サービスや高齢者支援、地域コミュニティの相互の人間関係や社会的なネットワーク、地域の経済的側面など、様々な側面が融合して環境を形成すると考えられます。サスティナブル・コミュニティとは、このような多くの側面を一体的に捉えて、様々な人々が協力しながら、環境としても社会としても経済としても、持続可能なコミュニティを形成するという概念です。

私の研究は、サスティナブル・コミュニティを念頭に置きつつ、このような多様な側面を包含した都市の身近な環境に焦点をあて、これらの実態を把握分析したり、様々な制度の提案をしたり、また実際の活動を通じて環境づくりを行っています。本セミナーでは、その一端をご紹介したいと思います。

(3)新藤 恵美 技士(総合研究所機器分析室)

テーマ 機器分析について
概要

私の所属する機器分析室には、透過電子顕微鏡・走査電子顕微鏡を始め真空装置を用いた大型機器が7台以上と赤外分光装置など小型の装置が6台以上あります。これらは物理分析装置と言われるものがほとんどです。

この物理分析装置は、測定すれば違っていても答えが出ます。

しかし、正しい答えを導き出すには装置のことだけではなくサンプルのことをよく知らなければいけません。人間と同じように名前・性格・状況そして分析目的など事細かに理解して測定条件などを試行錯誤してこそ正しい答えを得ることができます。これらの装置をよく理解するためには基本の使い方だけでなく“自分のテーマ(研究)”をもって分析装置をいろいろ使い込んでいくことが必要です。

そこで私は、アルミニウムの化学研磨という研究を行いさまざまな装置を用いアルミニウムのこと、その表面に生成した皮膜のことなどを調べてきました。

このたびはこれらのことを紹介し分析の楽しさ、複雑さを知っていただけたらと思います。

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