SOFERS LETTER
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発行2012年3月9日発行 東京都市大学 女性研究者支援室 SOFERS 〒158-8557 東京都世田谷区玉堤1-28-1 世田谷キャンパス1号館5F tel. 03-5707-0104 (ext.2298) 文部科学省 女性研究者研究活動支援事業(女性研究者支援モデル育成) 東京都市大学では、文部科学省 科学技術人材育成費補助金 女性研究者研究活動支援事業 (女性研究者支援モデル育成)として支援活動を進めてきましたが、2012年度から、自主的な 活動に移行いたします。そこで3年間の活動の区切りとして2月15日 渋谷エクセルホテル東急 にて 「成果報告国際シンポジウム」を開催しました。 総合司会は女性研究者支援室の一員でもある工学部の白旗准教授が務め、 シンポジウムの流れなどを説明後シンポジウムが始まりました。 工学系イノベーションの男女共同参画モデル 日本では一昔前の 「夫は仕事、妻は家事」といった固定的性別役割分業意識を基に法律が 成り立ち、ジェンダーギャップ指数も134か国中94位。先進国では最下位。 また、女性就業率もOECD諸国30か国中22位。 日本より数値が悪い国は、いずれも金融危機 に襲われ、女性の就業率の低い国が多い。また「結婚や出産で仕事をしたら辞めるべき」と いう考え方が影響し、年代別就業数では結婚・出産にあたる年代に大きく落ち込むM字カーブとなって 「長い教職生活から女子学生は優秀な人が多いと感じている。工学系は多くが男子学生である中、 相当の覚悟をもって入ってきているからか、モチベーションの高い女子学生の存在は心強い。 本学は2年前より文理融合学科や文系学科を統合し、バラエティのある大学づくりを進めているが、 工学系の学科は女性教員数もまだまだ少ない。この支援事業で増加傾向がみえるが、引き続き頑張って いる。本シンポジウムでは色々なご意見、討論をして頂き、今後の進展につなげていきたい」と述べた。 大学創設から現在に至るまでの歴史と時代を切り開いてきた日本の女性研究者 の紹介を交え、女性研究者がいない時代を経て、支援室立上げに至るまでを説明 取り組んできた5大プロジェクトの内容を説明しながら成果報告を行なった。 事業をすすめる中で、根本的な問題だと感じたのは、工学系私立大学では女性研究者が少ないことです。 全国の大学生の75%は私立大学で教育を受けています。だからこそ、国をあげて私立大学に力を入れなければ、理工系の女性研究者も育たないのではないか。また、物理学が難しいからという理由で進学しない懸念もあり、小学生の うちから物理を学ぶ仕組みを構築することが必要だと思います。地球上でのエネルギーとして一番使ってないのは「人の能力」であり、中でも女性の能力という素晴らしいエネルギーの利用をしていないのではないか。 今後の課題として、私立大学の連携はまさに必要である。 科学技術振興機構 科学技術振興調整費プログラムオフィサー:山村 康子氏より感想を頂きました 国際的な取り組み、アカデミックな取り組み、映画の世界まで勉強させていただきました(2面参考) 会場には男性も多く、男女で連携を組みながら、取り組む意気込みを感じました。 岡田先生から このプロジェクトは数値目標以前の問題があると、クギをさされたのですが、やはり 研究者数値をあげ、1名でも2名でも、ぜひ女性研究者を増やして頂きたい。 これをきっかけに4年目以降の取組み、活動に期待します。と、力強いご意見を頂きました。 ◎住田 裕子 氏 <弁護士、元内閣府男女共同参画会議議員、NPO法人長寿社会の安全安心な暮らしを実現する会代表理事> 「男女共同参画社会創成は日本復活の鍵」 ◎岡田 往子准教授 <東京都市大学女性研究者支援室 プロジェクト担当責任者、工学部 准教授> 「東京都市大学 女性研究者支援室 / 成果報告」 ◎宮内 新 教授 <東京都市大学 知識工学部 部長> - 開会挨拶 - おり、育児が終って復職をしても正職員の仕事に就けず、給与も低水準。さらに家庭責任が働く上での阻害要因となり、年代別労働力の低下につながってているのではないか、と現状の課題を提示。格差、不平等からなる貧しさがテロや治安悪化の要素ともなり、少子化が進む中、女性や高齢者が秘める力を使うことが必要になっている。 また、若い人が第一線で戦う中、後方支援としても力になっていかなければならない。新しいものをうむ視点には斬新な発想が求められるが、奇跡は偶然でなく必然であり、それに向かっていくにはダイバーシティ対応性そのものが必要である。男女共同参画創成が日本の復活の鍵であると語った。 1.全学科への女性教員の配置:女性研究者ゼロの7学科を4学科に減し女性研究者数を目標の7%→9%up 2.広がれ!理工系大学プロジェクト:私学との連携体制へ一歩 3.科学とともだちプロジェクト:3年間に約5,000名の子供たちに科学、物理の授業を行なった 4.ロールモデル発掘プロジェクト:女性卒業生2,300名の大規模アンケート調査、報告会、 座談会、女性研究者紹介や女子学生が何を学んでいるかを紹介する展示会などを開催 5.基本的な環境整備:子育中の女性研究者に対し支援員を配置。研究者セミナー、意識改革、 ステップアップセミナー開催など精力的に取り組んできました。

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